大阪湾フェニックスセンターでは、自然との共生をめざし、環境の修復・再生に取り組んでいます。
緩傾斜護岸、傾斜護岸(神戸沖・大阪沖埋立処分場)
神戸沖及び大阪沖埋立処分場の護岸の一部は、緩傾斜護岸を採用することで藻場を形成し、多様な生物が生息する良好な水空間となっています。緩傾斜護岸とは、垂直護岸や消波ブロックを用いた傾斜護岸(1:4/3の傾斜)より緩やかな1:2の勾配の護岸であり、他の護岸と比べ、護岸前面に藻場や魚類の生息空間となる浅場を形成するため、生物の多様化が期待できます。神戸沖埋立処分場は東側護岸の約1,600m、大阪沖埋立処分場は北西側護岸の約1,300mが緩傾斜護岸となっています。
緩傾斜護岸では、褐藻類のワカメやタマハハキモクなどの藻類の繁茂が観察されており、藻場の形成が進むにつれ、藻場に集まる魚介類の数も増えつつあります。
<海生生物調査>


Jブルークレジット認証について
大阪湾フェニックスセンターでは、「カーボンニュートラルへの挑戦」を目標に掲げています。藻場が繁茂することにより二酸化炭素の吸収・貯留効果が期待でき、この二酸化炭素の吸収・貯留量についてクレジット化をするために、神戸沖、大阪沖埋立処分場の藻場についてJBE(ジャパンブルーエコノミー技術研究組合)へJブルークレジット申請を行いました。
この度、令和7年度審査認証委員会にて本プロジェクトが審査され、5.0t-CO2がJブルークレジットとして認証されました。
エコ護岸(泉大津沖埋立処分場)
泉大津沖埋立処分場では、一部の護岸が垂直護岸であるため藻場が形成されにくく、海生生物の生息密度も低い状況にありました。
そこで、垂直護岸を環境配慮型護岸(エコ護岸)に改修して多様な生物が生息できる環境の創造に取り組んでいます。
泉大津沖埋立処分場で採用したエコ護岸は、海水面付近の上段にカニ等が生息しやすい石積み箇所、その下段に中空ブロックを配する多段構造とし、既存護岸の前面に設置して、生態系の回復を図るものです。
平成18年度から開始した試験施工では、垂直護岸と比較して、付着動物の出現種の豊富さや群集構造の安定性、また、顕著な漁礁機能を確認できました。周辺自治体とも協力し、現在、エコ護岸の延長距離は試験施工分も含め80mとなっています。

